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2020/04/27 11:47

人間の目に見えるもの、手の届く範囲ばかりをみていると世界は小さく狭く、見慣れたものになってしまうけれど、本当はこんなに大きくて広くて、知らないことに満ちているのだと、やさしく静かな文章で教えてくれます。


一科学に触れず現代を生きるのは、まるで豊穣な海に面した港町を旅して、魚を食べずに帰るようなものである。科学はしかし秘密の花園である。方程式と専門用語の壁に囲まれて、通りすがりには容易に魅力を明かさない。――


そんな秘密の花園の壁の、のぞき窓なってくれるのがこの本です。


科学についてのお話なのになんて詩的で美しいのだろう、と感じる、理論物理学者のとっておきの22話。


毎晩寝る前に、お話をひとつ読むのにぴったりの長さです。1日の最後に、空想よりもおもしろい、私たちの生きるこの世界について知ることができるのってなんだかとてもいいですね。