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2020/05/08 14:42


『渡り鳥』は閏年に作られる、目に見えないものに思いを馳せる一冊です。

書店に並ぶのは閏年の一年のみで、閏年が終わり次第撤収し、次に並ぶのは2024年となります。


閏年は見えない時間が私たちの分かる形で現れる年です。そんな見えないものと見えるものをテーマに書かれた、エッセイのような詩のような本です。

文庫サイズの厚みのある本ですが、本文は8ページほどで、他は余白となっています。余白にはこれからの4年間のできごとや想いを綴るようになっています。


著者の岩谷香穂さんは、「opnner(オプナー)」というタトゥーシールブランドを運営されています。表紙と本文に描かれている鳥も著者によるもの。

布貼りの上製本で、表紙には空押しの箔を施し、最後の溝つけの工程は一冊一冊手で持って仕上げたという、大切に作られた美しい本です。