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2020/05/08 14:56
小学生のころ、学校という小さくて圧倒的な世界とは別の場所で、先生や親ではない大人と仲良くなったことがある。勉強しなくても怒らなくて、友達みたいに話せるけど、同年代の友達とはやっぱり違う不思議な存在。今でもその時間を覚えてるということは、自分にとって大事な時間だったのだと思う。他愛もない話ししかしないけど、そういう大人がいること、学校以外の世界があることを知るのは私の心を楽にしてくれた。
この本の小さな「きみ」は、あけっぱなしの玄関から、どんどん「ぼく」の部屋にあがりこみ、ランドセルをおろしながらこういう。
「せんせいが、おまえは本を読めっていうんだ。ことばがなってないから」。
ぼくは一冊の詩集をきみに手渡す。「ここんとこ、読んでみな」。
20篇の詩を通して、「国語」ではない「ことばのじゆう」があるのだと教えてくれる。