「意見を言う」「声を上げる」ということがとてもしづらい世の中だなと感じます。実名を出して意見を言ったり声をあげても、匿名の誰かに攻撃される。それも相手を潰すほど執拗に。SNSではよく見る光景です。

2019年3月に4件続いた性暴力事件の無罪判決をきっかけに、性暴力に抗議する運動としてはじまった「フラワーデモ」。性暴力事件というのは、実名を出して訴えるのにどれほどの覚悟と勇気が必要なのでしょう。2019年3月の4件の性暴力事件について、本書にとても簡単に文字で書かれていますが、その簡単な文字ですら読んだだけでスッと血の気が引きます。

本書は、フラワーデモにかかわった側からこのフラワーデモの一年間を振り返り、性暴力を許さない社会へと繋げていくための一冊です。

本当に、性暴力を「ちゃんと」許さない社会になってほしいと切に願います。