blog

2020/05/23 13:52


人の日記を覗き見るなんて許されないことですが、本だけでは許されるのです。日記の本ってたくさんあって随筆やエッセイともちょっと違う。もっとなんでもない出来事や思いが綴られるのがいい。


この本は、アメリカ・アイオワ大学に世界各国から約30名の作家や詩人たちが集まり、毎年行われる約10週間の滞在プログラム「インターナショナル・ライティング・プログラム」に参加した小説家・滝口悠生が綴った日記。著者はこれが人生で二度目の海外渡航。


お互いをほとんど知らないまま集まった各国の作家たちが、慣れない言語や文化の違いに戸惑いながら、少しづつ変化していく関係性の機微が、飾らない言葉で丁寧に綴られています。言葉があまり通じていない初めの頃でも、なんとなくでコミュニケーションをとっている感じもおもしろいです。