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2020/05/25 19:52
木彫りの熊というと、ブラウン管テレビの上に鎮座していた鮭をくわえた熊をイメージします。
昭和30~40年代の北海道観光ブームで全国に普及し、一説には「世界で一番売れた彫刻品」と言われるほど人気がありました。
北海道土産の木彫り熊=「八雲の熊彫」として最初にブランディングに成功したのが、徳川義親が支援した現在の八雲町でした。
過酷な長い冬がある北海道。義親は、農業ができない時期に木彫りの工芸品作りを冬の副業とするよう農民に勧めました。
本書はそのルーツを辿るテキスト、インタビューと、柴崎重行や茂木多喜治を始めとする北海道八雲町の作家たちの作品を収録したガイドブック的一冊です。
掲載されている熊たちは鮭をくわえておらず、木彫り熊のイメージを覆す自由な作品ばかり。こんな熊なら部屋に飾りたいなぁと思うほどかわいいです。