blog
2021/02/07 17:15
どこにでもあるケーキ/三角みづ紀
膨らんでいく身体は
焼き上がるのを待つ、
どこにでもあるケーキ。
ほっといても、
育っていくヒヤシンス。
でも わたしはそんなに簡単じゃない
でも わたしはそんなに複雑でもなくて
「森の生活」より抜粋
詩人・三角みづ紀さんが、「十三歳のわたし」に戻って書いた詩集です。
繊細で、ひどく図太くて、ひどく鋭敏だった十三歳のわたし。
大人の中で十三歳だったことのない人はいません。それでも、こんな風にあの頃のゆらゆらと揺れ動く感情を、みずみずしく表現できる人はいないのではないでしょうか。
どこにでもいるひとりの少女の物語のようでもあり、詩に慣れていない人でも読みやすい詩集です。