blog

2023/07/08 18:08


伊丹十三賞という賞がありますよね。私がこの賞をはじめて認識したのは2017年のことです。急に完全なる趣味の話なのですが、私はSAKEROCKというバンドがずっと好きでした。今はもう解散してしまいましたが今でも曲を聞いています。SAKEROCKは星野源がつくったバンドでした。知らない人も少ないと思うので彼の説明は省きます。2017年の伊丹十三賞を受賞したのが星野源でした。このニュースを聞いた時、きっと本気で喜んでいるだろうなと思いました。彼のそれまでの音楽やLIVE、衣装やエッセイなどを通して、植木仁やクレージーキャッツ、そして伊丹十三のことを尊敬しているのだろうことが伝わってきていたから。
この時代の芸能界の人々はとても多彩で何足もの草鞋を履いていた印象があります。伊丹十三はその最たる人で、デザイナー、イラストレーター、俳優、エッセイスト、翻訳家、テレビマン、雑誌編集長、映画監督、料理などなど、さまざまな分野で才能を発揮していました。そのあらゆる文化活動に興味を持ちつづけ、新しい才能にも敏感であった伊丹十三が、「これはネ、たいしたもんだと唸りましたね」と呟きながら膝を叩いたであろう人と作品に、「伊丹十三賞」は贈られるのだそうです。歴代の受賞者を見るとジャンルがとても多彩でおもしろい。受賞対象は『伊丹十三が才能を発揮した分野において、優秀な実績をあげた人に贈る』ということなので、伊丹十三がいかに多くの分野で活躍していたのかがわかります。

伊丹十三のエッセイは言葉選びが洒落ていて読みやすく、力の抜き具合が絶妙でとても面白いです。何年経っても、読む世代が変わっていっても新鮮で面白いと感じるはず。若い人たちにも是非読んでみてほしいと思います。

この文章は2017年当時に自分のSNSページに書いた文章を元にしているのですが、その時ぶりに伊丹十三賞についてのWebページを見てみたら「 星野氏来館記」というものが追加されていて、読んでみたら随分とかわいらしい文章だったので興味のある人はぜひ。